誰でも来られる場所-昭和こども食堂から


こども食堂をしていると、「行ってもいいんですか?」、「ずっと来てみたかったけど」、

「私が行っていい場所なのかわからなかった、でも来てみたらいろんな人がいて、くつろげるし、誰でも来ていい場所なんだって知って、友達にも紹介しました」と、そんな声を多く耳にします。

こども食堂が全国的に広がっている背景の中には【こどもの貧困問題】があり、昭和こども食堂も始めたきっかけの一つはそこにあります。
しかし続けていくにつれて、「繋がり」や「毎日の中でのくつろぎ」を求めている方の多さを実感します。

そしてそれは貧困家庭に限ったことでは決してなく、そういった多くの方が気軽に来ることができ、家や学校、仕事などとは別の落ち着く場所を見つけてもらえたらという思いも持っています。

実際に利用される方の多くは小さい子 どもを連れたお母さん方です。お父さんはどうしてもお 仕事が忙しく帰りが遅くなってしまうため、普段は子ど もと2人でご飯を食べているというお話を聞くことも少 なくありません。週に一度こども食堂に来て、色 んな世代の人とお話をしてご飯を食べて、お家にいるようにくつろげたり自由な時間を過ごすことで、子どもたちにもお母さんたちにも楽しみが増えているようです。 

 

【利用しているお母さんの声】

来る前は結構食事作りがしんどかったり、自分自身も 体調を崩していた時期だったので本当に大したもの食べさせてあげれなくて、買い物も体調が悪くてなかなか行けなかったりしたので残り物など適当なものしか食べていなかった。ここに来て週一回自分もちゃんと座って食べられるので、その後の1週間頑張れるようになりました。最近は気持ち的にも余裕が出てきて、家でも作り置きとかをしておけるようになったり、ここに通い始めてから私も通院するようになって、定期的に薬を飲んで体調も落ち着いてきました。余裕を持つきっかけになりました。


そして子どもたちがここで成長し ていく様子も肌で感じられるようになりました。初めは話しかけても首を縦か横に振るだけだった男の子も少しずつ打ち解けていくようになり、ちょっかいを出したり、「あれが欲しい、これが食べたい」と普通の子どもと同じように言うようになりました。他の利用者の方とも仲良くなり、 遅く来た高校生のご飯を何も言わずに注いであげたり、 最近ではトランプで遊ぶ様子や、小さい子にちょっかいを出されている様子も目にするようになりました。他にもキッズルームのおもちゃを順番に皆で使って遊ぶことや、自分が少しお兄ちゃんになって あげることを通して、子どもたちは成長をしています。


色んな人と関わること、地域の中で育つことは、子どもが成長するためにとても大切な事ではないかと感じます。それぞれに違う家庭環境を持つ子どもたちが、誰でもお腹一杯にご飯を食べられて、誰でも自由に過ごせる場所を作っていく為に地域の皆さまの理解と協力が必要であり、子どもを想う多くの大人たちに温かく見守られた場所がこれからも増えていくことを願っています。
まずはその一歩としてこのイベントを通した子ども支援団体へのご協力をよろしくお願いいたします。