日本の子どもの貧困状態をご存知ですか?


【背景 その①】

 

子どもの貧困、先進国の下から4番目。母子家庭の貧困は下から2番目、という危機。

 

日本の子どもの貧困率は14.3%。先進国OECD加盟34か国の中で、下から4番目に悪い数値です(2000年調査)。約7人に1人が貧困状態にあり、先進諸国の平均(12.1%)を上回ってます。そして、ひとり親世帯の子どもの貧困率は57.3%でトルコに次いで下から2番目に悪い数値になりました。日本は豊かな国と言われていますが、先進諸国の中でも貧富の格差がとても大きい国です。

●国の社会保障が機能していない。
 税金や社会保険料などの国の制度を通して所得の高い人から低い人へお金を移動させることを「所得の再分配」と呼びます。日本もほとんどの先進諸国と同様に公的年金や公的医療制度を持っており、所得の再分配を行っています。が、再分配が子どもの貧困の解決に向かうのかと思いきや、不思議なことに、所得の再分配を行った後に子どもの貧困率が上昇しているというすごい事態(逆転現象)が起こっているのです。(要するに金持ちから取らずに貧乏人から取っているということ)

グラフ出典:子ども応援便りWEB版


●貧困が足枷になり、将来に夢を描けない(子ども)若い世代
 貧困は将来を思い描く力を奪います。経済的な理由で部活動や進学を諦めざるをえない、進学しても授業料が払えない、奨学金をもらっても社会人になってから返済に追われる、現在の仕事で十分な収入が得られないなど、貧困が足枷となって将来を見通せない若者が増えています。

●自衛策をやるしかない
 いま目の前にある貧困を解決できるのは、それに気がついた皆さんひとりひとりが少しの勇気を出して行動をおこすことです。その第一歩として、ぜひ「サンタdeラン」にご参加いただき、一緒に子ども達を支えていきましょう。


【背景 その②】

国内最新データより

〇子供の貧困率

子どものうち、6人に1人が貧困である、という衝撃的なニュースの根拠となったデータがこちらです。相対的貧困は、世帯当たりの可処分所得が全世帯の中央値の半分以下で生活している人たちです。右のグラフの、一人親世帯の相対的貧困率は極めて重要なデータです。50%を超えていて、ここにサポートをいれないと、子どもの貧困の根本的な改善に向かいません。自己責任論も根強いですが、この率を見ると個人の責任や努力の範疇の問題ではなく、構造的な問題であるというのは一目瞭然です。明日は我が身です。                  グラフ出典:厚生労働省 国民生活基礎調査

〇このままだと未来はもっと深刻・・・・ 若者の非正規雇用率

 働く15-34歳の男女のうち、35%が非正規雇用です。もちろん自身の生き方や働き方の選択で非正規を選ぶ人も多いですし、それ自体は悪いことではありません。しかし、正規雇用を目指してもその座を手に入れることができない若者が多くいるのが現状です。よく言われるように、非正規と正規雇用では生涯年収に大きな差が生まれますし、不安定な就労形態なので将来プランも立てにくいということもあります。何かのトラブルですぐに困窮や貧困に陥る可能性があります。未婚率上昇、少子化など複合的な課題の芽を抱えています。正規雇用の枠を拡大していくか、それとも現状を踏まえ、非正規の共働きでも子どもを大学まで送りだせるような社会をつくっていくか、これからの社会のグランドデザインが求められています。